【こんなことはありませんか?】
•時々よだれをたらしてボーっとする時間がある
•脚がピンと張って動かない時間がある
•身体の一部がぴくついて治まるを繰り返す
上記の症状が複数回ある → すぐに受診してください。
【この記事のトピック】
• けいれん発作の原因は様々であり、緊急性も違いますが、まずは血液検査で血糖値や、肝数値および腎数値を確認することが重要です。
• 血液検査およびMRI検査で異常が認められないてんかんの事を特発性てんかんと呼び、半数以上は適切な内科治療(内服薬)でコントロール可能です。
・発作が起きたら、近づいたり、抱っこしたりしてはいけません。まずは動物と人間の身の安全の確保が大事です。
【てんかんとは】
「けいれん発作=てんかん」ではありません。てんかんとは過剰に興奮した神経細胞たちのいわゆる暴走であり、それに伴って生じるけいれんをてんかんと呼びます。つまり脳自体の問題で生じるけいれん発作がてんかんです。例えばけいれん発作の中にはそれとは別に反応性発作があります。腎臓の機能不全により老廃物が身体に溜まってしまったり、肝機能障害によって栄養状態に異常が起きてしまったりすることによって生じます。それらは脳自体の異常ではないので、てんかんとは区別されます。
【てんかんの種類】
てんかんは反射性てんかん、特発性てんかん、構造的てんかんに分類されます。
◇反射性てんかん
反射性てんかんとは、何かが引き金となって発作が生じるてんかんです。眩しい光や、インターフォンの音や金属音、トリミングに行く等、五感や経験が引き金になり得ます。自分の経験上では、掃除機の電源コードを引き抜くガラガラガラという音で必ずけいれん発作が起こるわんちゃんが居ました。
◇構造的てんかん
生まれつきの奇形や、脳炎、脳腫瘍などがここに分類され、脳自体に異常が生じているてんかんのことを指します。1歳未満や8歳以上の子のタイミングで初めて発作が起きたときはこの種類のてんかんを主に疑います。診断には麻酔をかけた画像検査(CT・MRI)が必要不可欠です。
◇特発性てんかん
特発性とは特定の原因が分からないという意味で、特発性てんかんとは血液検査や画像検査など種々の検査で異常が認められないてんかんを指します。検査の異常は認められないものの、厳密には脳内の神経細胞が何らかの原因で異常に興奮(発火)し、それが一部分のみで終息せず、より広範に広がって発作を生じています。こうしたミクロレベルの異常であるため、検査結果は正常ながらも、発作は起きてしまいます。原因として遺伝性や家族性など血縁関係が疑われていますが、正確には明らかになってはいません。
【てんかんの治療】
前述のとおり、てんかんといっても様々な病気が背景にあります。以下の表は原因によっての治療法を簡潔にまとめたものです。実際には画像結果や本人の症状に合わせて複合的に対応するケースがほとんどです。

【もし発作が起きたら】
初めて発作が起きたら、つい発作を落ち着かせるために近づいて手を添えたり、抱っこしたりしてしまうオーナー様もいらっしゃいます。ですが、発作が起きている動物は脳の興奮が抑えられず、顎や手足にいつも以上の筋力がはたらいているため危険です。発作が起きたら、まずは動物の安全を確保するために周りにクッションやタオルを置いてあげてください。発作が起きている動物には基本的に近付かないことが、オーナー様と動物の双方のケガ防止に繋がります。
もし余裕があれば発作が起きる前の本人の様子や発作時、発作直後の動画撮影、発作が起きていた時間まで確認できれば助かりますが、初めて発作を見たときはこのまま亡くなってしまうのではないかと思うほどショッキングで余裕がないと思います。まずは近付かず、周りの安全を確保することが何より大事です。




