ワンちゃんとネコちゃんの咳のトラブル ―ケンネルコフ―

【こんなことはありませんか?】
• 子犬を迎え入れたら1週間も経たないのにケッケッと咳をし始めた。
• 安静時や就寝中も咳が出て辛そう。
上記の症状がある → すぐに受診してください。

【この記事のトピック】
• 迎え入れたばかりの子犬が咳をしていたら、ケンネルコフを疑いましょう。
• 咳の症状以外は、特に問題がないことが多いです。
• 動物の移動のストレスや環境の変化が発症の誘因になることがあります。
• 1~2週間の内服薬の投与で治癒する事が多いが、症状が長引いたり悪化したりする時は、早めに病院を受診しましょう。

【ケンネルコフとは】
• ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)は、ウイルスや細菌が混合感染して起こる呼吸器の病気です。
• ペットショップ、ブリーダー、保護施設など多頭飼育環境で感染しやすいです。
• 子犬・免疫力の低い犬は特に注意が必要です。
• 人の「風邪」に近いイメージです。
• 子犬を購入後、数日〜1週間前後で発症することが多いです。

【主な症状】
よく見られる症状
• 乾いた咳(ケッケッ、コンコン、ガーガー)。
• 咳き込むと吐くような仕草(嘔吐ではない)。
• 興奮時・運動後・首輪を引いた時に咳が出やすい。
• 透明〜白っぽい鼻水。

重症化すると
• 元気・食欲低下。
• 発熱。
• 黄色や緑色の鼻水。
• 肺炎(特に子犬は注意)。
※「元気はあるが咳だけ」というケースも多いです。

【診断の進め方。当院の場合】
1.問診
• 購入時期と他犬との接触歴を伺います。発症までの病気の潜伏期間の推測に必要です。
• 食欲と元気を確認します。子犬のケンネルコフでは咳以外は問題なしというケースが多いのでこれらの低下は重症を疑います。

2.身体検査
• 咳の性質(乾いた咳、湿った咳、ゲッと吐くような咳など)、聴診にて心音と呼吸音の確認を行います。呼吸音の異常や亢進は気管支炎や肺炎を示唆します。
• 必要に応じて、レントゲン検査にて気管支炎や肺炎の有無を、血液検査にて炎症の程度(白血球数、CRP)を評価します。
• PCR検査(原因病原体の特定)が必要になることは稀です。
※多くの場合、症状と経過から臨床診断されます。

【治療方法】
症状の程度によって治療が変わります。

軽症の場合
• 気管支拡張薬:気管支を広げて呼吸を楽にします。また、気道粘膜を保護し、痰の排泄を助けます。
• 去痰薬:痰の排出を促します。
• 咳止め薬:咳の頻度を減らし、気道の炎症を軽減し、呼吸を楽にします。
• 抗炎症薬:気管支炎などの炎症を軽減します。
• 安静、保温、適度な保湿をします。
• 自然に回復(1〜2週間程度)することもあります。
※当院では、ケンネルコフでは気管支拡張薬(アミノフィリン)、去痰薬(アンブロキソール)を主に処方しております。

細菌感染が疑われる場合
・抗生物質を処方します。
※当院では、ケンネルコフではアジスロマイシンを主に処方しております。

重症・肺炎を伴う場合(まれ)
• 点滴治療
• 酸素吸入
• 入院管理(子犬ではまれに必要)

【自宅での注意点】
• 興奮させないようにしましょう。無理な運動も避けてください。
• 首輪よりハーネスを使用しましょう(頚部の気管を圧迫しない)。
• 他の犬との接触を避けましょう(感染防止)。
• 室内を乾燥させすぎないようにしましょう。
• 十分な水分補給をさせましょう。
• 症状悪化(咳が続く・元気消失・食欲不振・呼吸が苦しそう)があればすぐ病院を受診しましょう。

【予後と予防】
• 多くは適切な治療で完治します。
• ワクチン(混合ワクチン)で重症化予防が可能です。
• 子犬購入後は早めの健康チェックをおすすめします(飼育初心者の方の中には咳をそれと気づかないことがあります)。

【よくある質問FAQ】
Q1. 子犬でもかかりますか?
A. はい、子犬は特にかかりやすいです。
免疫が未発達なため、ペットショップ・ブリーダー・ドッグラン・動物病院など、犬が集まる場所で感染することがあります。

Q2. 他の犬や人にうつりますか?
A.犬同士ではうつります(感染力は強め)が、人には基本的にうつりません。
治るまでは、他の犬との接触は避けましょう。

Q3. 動物病院に行く目安は?
A. 次の場合は早めに受診してください:
• 咳が3~5日以上続く
• 咳がどんどんひどくなる
• 食欲・元気がない
• 黄色や緑色の鼻水が出る

Q4. 治療期間はどれくらいかかりますか?
A.軽症の場合は、1~2週間程度で回復することが多いです。
薬(咳止め・抗生剤など)が処方された場合は、獣医師の指示どおり投薬しましょう。

Q5. 予防はできますか?
A. 完全ではありませんが、以下でリスクを下げることができます。
• 混合ワクチン接種
• 子犬期は犬が密集する場所を避ける
• 体調が悪い犬との接触を避ける
• ストレスを減らす

Q6. 咳が治ったらすぐ散歩をしてもいいですか?
A.完全に咳が止まってから、数日~1週間が経過したら、散歩を再開するのが安心です。
再発や他犬への感染防止のため、獣医師の指示に従いましょう。

ワンちゃんとネコちゃんのお腹のトラブル ―⻑引く下痢―

【こんなことはありませんか?】
• 下痢が⻑く続く、または繰り返す。
• 嘔吐が頻繁に認められる。
• ⾷欲が落ちてきた。
• 体重が減ってきた。
• 元気がない。
• お腹がゴロゴロ鳴る。

以下に該当する場合 → すぐに受診してください。
• ぐったりしている
• ⽔が飲めない。
• ⿊い便、または⼤量の⾎便をした。
• 嘔吐が複数回。
• 体重が急に減ってしまった。
• お腹が張って苦しそうにしている。
• ⼦⽝・⼦猫、⾼齢の⼦で症状が続いている。

【この記事のトピック】
下痢はよくある症状ですが、2〜3 週間以上続く、または良くなったり悪くなったりを繰り返す場合は「慢性下
痢」の可能性があります。慢性下痢には、⾷事との相性、寄⽣⾍・感染、腸の慢性的な炎症、膵臓や他の臓器の
問題など、複数の原因が関わることがあります。早めの診察と、段階的な検査・治療が⼤切です。

【原因として考えられること】
慢性下痢の原因は1つとは限りません。代表的には次のようなものがあります。
• ⾷事関連:⾷べ物が合わない、急なフード変更、おやつの影響などによるもの。
• 寄⽣⾍・感染症:検便で⾒つかりにくい場合もあります。
• 腸の慢性炎症:いわゆる「慢性腸症(慢性炎症性腸疾患を含む)」を指します。
• 膵臓や他の臓器の問題:消化を助ける働きの低下などにより⽣じます。
• 腫瘍や内分泌疾患:年齢や症状により鑑別が必要です。

【診断のための主な検査項⽬(当院の場合)】
※患者様の状態、年齢などに応じて検査内容を決めていきます。
• 便検査
• ⾎液検査
• 腹部超⾳波検査
• 必要に応じた特殊⾎液検査
• 内視鏡検査/組織検査
など

【便の特徴からわかるヒント】
便の様⼦から、腸のどのあたりが主に影響を受けているか推測できることがありますので、どちらの傾向が強そ
うか確認してみてください。診察の際、診断の⼿がかりになります。
-おもに⼩腸の影響が疑われるサイン
• 便の量が増える。
• ⽔っぽい便が続く。
• 体重が減る。
など
-おもに⼤腸の影響が疑われるサイン
• 少量の便を何度もする。
• 粘液が混じる。
• 鮮⾎が混じる。
• いきんでも少ししか出ない。
など

【治療の基本⽅針】
慢性下痢は原因に合わせた治療が重要です。近年は、まず⾷事と腸内環境の⾒直しを重視し、必要に応じて薬を
追加する考え⽅が⼀般的です。
-⾷事療法
• 可溶性繊維と不溶性繊維を豊富に含んだ療法⾷
• 消化に配慮した療法⾷
• アレルギーに配慮した療法⾷
• 必要に応じた脂肪量の調整
など
-腸内環境のサポート
• 整腸剤
• プロバイオティクス/プレバイオティクス
など
-薬物療法
⾷事や腸内環境の調整で⼗分に改善しない場合、抗炎症薬や免疫を調整する薬を組み合わせることがあります。
抗菌薬は必要性を慎重に検討して使⽤します。

【よくある質問】
Q. しばらく様⼦を⾒ても⼤丈夫?
A. 気になる症状がある場合は、元気そうであっても早めの受診をお勧めいたします。
Q. 猫は下痢が⽬⽴たないこともある?
A. はい。猫では体重減少や嘔吐が主なサインで、下痢が⽬⽴たない場合もあります。「痩せてきた」「吐くことが
増えた」というサインもとても重要です。中には、腫瘍などの原因が隠れているケースもありますので、早めの
受診をお願いいたします。
Q. 内視鏡検査もお願いできますか?
A. はい。当院では内視鏡検査も実施可能です。状況や必要性に応じてご提案させていただきます。また、内視鏡
だけでなく、CT 等の必要性があることもあり、そのような場合は、武蔵国どうぶつ医療センターと連携しなが
ら、検査・治療を進めることができますので、ご安⼼ください。
※武蔵国どうぶつ医療センターでの検査の必要性がある場合も、クッキーペットクリニックにて診察させていた
だきますので、まずは受診をお願いいたします。

ワンちゃんとネコちゃんの乳腺のトラブル ―乳腺腫瘍―

【こんなことはありませんか?】
•お腹にしこりができた
•最近そのしこりが大きくなった気がする。しこりの数が増えた。
•なんとなく元気がない
上記の症状が複数回ある → すぐに受診してください。

【この記事のトピック】
•乳腺腫瘍は雌の犬猫(特に高齢)に多くみられる腫瘍性疾患です。
•ホルモンが関係することが知られており、未避妊または避妊が遅れてしまった犬猫での発生が多いとされています。
•特に猫の乳腺腫瘍は悪性が8割以上を占めるため、早期の腫瘍切除が推奨されます。

【乳腺腫瘍とは】
乳腺を構成する乳腺細胞が腫瘍化する病気です。犬と猫では特徴が異なりますが、どちらも悪性の場合には進行することでリンパ節、肺、腹腔内臓器などに転移します。良性であっても時間経過とともに悪性腫瘍へと転化することがあります。また早期の避妊手術によって乳腺腫瘍が発生する確率を下げることができます。犬も猫も未避妊雌は避妊雌の約7倍の発生率とされています。
(犬の乳腺腫瘍)
良性:悪性の比率はおおよそ1:1であり、悪性のうち転移を生じるものは半数程度とされています。そのため多くの症例では適切な治療により比較的良好な予後が期待できます。ただし前述したように良性であっても後に悪性転化する危険性があるため、長期間無治療で放置することは推奨されません。転移箇所はリンパ節(腋窩、鼠径)、肺、内外腸骨リンパ節、胸骨リンパ節、肝臓、骨などです。
初回発情前に避妊手術を実施することでその後の乳腺腫瘍の発生率が0.5%まで低下することが知られています。初回発情後で8%、2回目発情後で26%とされているので発生率低下には早期の避妊手術が効果的です。
(猫の乳腺腫瘍)
犬と違って85%以上が悪性です。皮膚や皮下織や腹壁に強い浸潤性を示し固着を認めることが多く、半数以上は複数の乳腺に存在しています。そのため犬よりもより積極的な治療介入が必要となります。転移箇所はリンパ節(腋窩、鼠径)、肺、胸腔内リンパ節、胸膜、肝臓、横隔膜、副腎、腎臓などです。
生後12か月以内に避妊手術を実施すると90%が未避妊雌と比較して発生率が有意に低下するとされています。

【診断の進め方(当院の場合)】
1.問診・身体検査(腫瘤の発生時期、拡大傾向の有無、個数と位置、避妊時期、既往歴など)
2.細胞診(そもそもしこりが乳腺腫瘍を疑うものかどうかの判断のため。お腹にできるしこりは他の腫瘍や非腫瘍の可能性もあります。)
3.血液検査
4.画像検査(レントゲン・超音波)
5.全身麻酔下での検査(CTによる原発巣および転移の評価)

【治療の選択肢】
・外科療法
基本的には外科手術が第一選択となります。選択すべき術式は動物種の違い、腫瘍の大きさや数、周囲組織への浸潤性などにより異なります。
犬の場合は主な方法として腫瘍のみの切除、罹患乳腺のみの切除、乳腺区域切除(第1,2,3あるいは第3,4,5)、片側あるいは両側乳腺切除が挙げられます。
猫の場合には犬と比較して腫瘍の浸潤性が強く、腫瘍が発生した乳腺のみを摘出する方法では高率に新たな病変ができてしまうため、転移の徴候が認められなければ腫瘍の大きさに関わらず片側あるいは両側乳腺切除が推奨されます。
・化学療法
犬については乳腺癌に対する化学療法の有効性は示されていません。
猫についても乳腺癌に対する化学療法は確立されていませんが、遠隔転移を起こした症例などでは化学療法との併用(あるいは化学療法単独)が行われる場合があります。

【よくある質問(FAQ)】
Q:早期に避妊手術をしても乳腺腫瘍が発生することはありますか?
A:はい。あくまでも発生確率を下げるのみであり、発生する可能性はゼロではありません。
Q:細胞診の検査をすれば悪性か良性かわかりますか?
A:予想がつく場合はありますが、診断はできないことも多いです。特に犬の乳腺腫瘍に関しては細胞診での良性悪性の判断は困難とされています。ただししこりが乳腺腫瘍であるのか、その他の腫瘍であるのか(肥満細胞腫など)、非腫瘍であるのか(炎症性病変など)を外科切除前に確認するのに細胞診は有用です。
Q:どのくらい生きられますか?
A:一概には言えませんが、犬ではリンパ節転移がある場合とそうでない場合の平均生存期間がそれぞれ8~17ヶ月、19~24ヶ月以上という報告があります。また腫瘍の大きさが5cm以上で未避妊の犬では術後2年生存率が低かったという報告もあります。猫では腫瘍が2cm未満で適切な手術がなされた場合の予後が比較的良好であるのに対し、3cmを超える場合には生存期間が4~6ヶ月という報告があります。早期発見は重要なポイントになります。

ワンちゃんとネコちゃんのけいれんのトラブル ―特発性てんかん―

【こんなことはありませんか?】
•時々よだれをたらしてボーっとする時間がある
•脚がピンと張って動かない時間がある
•身体の一部がぴくついて治まるを繰り返す
上記の症状が複数回ある → すぐに受診してください。

【この記事のトピック】
• けいれん発作の原因は様々であり、緊急性も違いますが、まずは血液検査で血糖値や、肝数値および腎数値を確認することが重要です。
• 血液検査およびMRI検査で異常が認められないてんかんの事を特発性てんかんと呼び、半数以上は適切な内科治療(内服薬)でコントロール可能です。
・発作が起きたら、近づいたり、抱っこしたりしてはいけません。まずは動物と人間の身の安全の確保が大事です。

【てんかんとは】
「けいれん発作=てんかん」ではありません。てんかんとは過剰に興奮した神経細胞たちのいわゆる暴走であり、それに伴って生じるけいれんをてんかんと呼びます。つまり脳自体の問題で生じるけいれん発作がてんかんです。例えばけいれん発作の中にはそれとは別に反応性発作があります。腎臓の機能不全により老廃物が身体に溜まってしまったり、肝機能障害によって栄養状態に異常が起きてしまったりすることによって生じます。それらは脳自体の異常ではないので、てんかんとは区別されます。

【てんかんの種類】
 てんかんは反射性てんかん、特発性てんかん、構造的てんかんに分類されます。
◇反射性てんかん
 反射性てんかんとは、何かが引き金となって発作が生じるてんかんです。眩しい光や、インターフォンの音や金属音、トリミングに行く等、五感や経験が引き金になり得ます。自分の経験上では、掃除機の電源コードを引き抜くガラガラガラという音で必ずけいれん発作が起こるわんちゃんが居ました。

◇構造的てんかん
 生まれつきの奇形や、脳炎、脳腫瘍などがここに分類され、脳自体に異常が生じているてんかんのことを指します。1歳未満や8歳以上の子のタイミングで初めて発作が起きたときはこの種類のてんかんを主に疑います。診断には麻酔をかけた画像検査(CT・MRI)が必要不可欠です。

◇特発性てんかん
 特発性とは特定の原因が分からないという意味で、特発性てんかんとは血液検査や画像検査など種々の検査で異常が認められないてんかんを指します。検査の異常は認められないものの、厳密には脳内の神経細胞が何らかの原因で異常に興奮(発火)し、それが一部分のみで終息せず、より広範に広がって発作を生じています。こうしたミクロレベルの異常であるため、検査結果は正常ながらも、発作は起きてしまいます。原因として遺伝性や家族性など血縁関係が疑われていますが、正確には明らかになってはいません。

【てんかんの治療】
 前述のとおり、てんかんといっても様々な病気が背景にあります。以下の表は原因によっての治療法を簡潔にまとめたものです。実際には画像結果や本人の症状に合わせて複合的に対応するケースがほとんどです。

【もし発作が起きたら】
初めて発作が起きたら、つい発作を落ち着かせるために近づいて手を添えたり、抱っこしたりしてしまうオーナー様もいらっしゃいます。ですが、発作が起きている動物は脳の興奮が抑えられず、顎や手足にいつも以上の筋力がはたらいているため危険です。発作が起きたら、まずは動物の安全を確保するために周りにクッションやタオルを置いてあげてください。発作が起きている動物には基本的に近付かないことが、オーナー様と動物の双方のケガ防止に繋がります。
もし余裕があれば発作が起きる前の本人の様子や発作時、発作直後の動画撮影、発作が起きていた時間まで確認できれば助かりますが、初めて発作を見たときはこのまま亡くなってしまうのではないかと思うほどショッキングで余裕がないと思います。まずは近付かず、周りの安全を確保することが何より大事です。

犬猫の歯のトラブル―歯周病―

【こんなことはありませんか?】
• 歯茎の赤み(犬猫)、口臭(犬猫)、食べにくそうにする(猫)。
• 歯石の付着(犬猫)、歯のぐらつき(犬猫)、よだれ及び前足で口を気にする(猫)。
• 歯が抜ける(犬猫)、頬から膿が出る(犬)、鼻血(犬)食欲低下(猫)、口を開けたがらない(猫)。
上記の症状が複数回ある → すぐに受診してください。

【この記事のトピック】
• 歯周病は多くの犬猫が罹患する代表的な疾患です。
• 進行すると、口腔内に収まらず全身に影響を及ぼすことがあります。
• 治療の中心は全身麻酔下での歯垢(プラーク)や歯石の除去です。
• 予防のためには、毎日の歯磨きがとても重要です。

【歯周病とは?】
歯周病とは、歯の周囲(歯肉・歯根膜・歯槽骨)に炎症が起こり、最終的に歯を支える組織が壊れる疾患です。
進行すると歯が抜けるだけではなく、細菌が血流に乗って心臓、腎臓、肝臓など、全身に悪影響を与えることもあります。

【歯周病の原因】
主に歯垢(プラーク)と歯石です。

・歯垢(プラーク):細菌とその代謝物で形成されています。数日で歯石に変化します。歯肉の奥のプラークはバイオフィルムを形成するため、抗生物質の効果を減弱させます。
・歯石:ほとんどがリン酸カルシウム塩で形成されています。歯石の沈着には核となる物質として細菌やその死菌が必要です。

【犬特有の要因】
・小型犬は歯が密集しているので歯垢が溜まりやすいです。
・ウェットフード中心の食生活。ドライフードは限定的ですが歯垢を削ってくれます。
・加齢による歯周病の増加。

【猫特有の要因】
・歯肉口内炎や破骨性吸収病巣(アンキローシス)を併発しやすいです。
・免疫異常やウィルス(カリシウイルス、FIV等)が関与していることがあります。
・犬よりも痛みに敏感で、症状が出にくいです(食欲低下で気付くことが多い)。
・痛みを隠す動物なので、気付いた時には重症化していることも多いです。

【診断の進め方(当院での場合)】
1.問診:元気や食欲等の一般状態のほかに食餌の摂取の際に異常はないか、痛みや食べづらさはないか、あるとすればいつ頃からみられるようになったかを伺います。

2.身体検査
①視診:歯肉の減少や口内炎や歯肉炎の有無、歯垢や歯石の有無、歯の破折の有無、口腔内の新生物の有無などを確かめます。
②触診:歯のぐらつきがないか、頬に腫れがないかを確かめます。顎の下のリンパ節が腫れていないかも確認します。

3.血液検査。
 一般血液検査を行い、白血球や炎症マーカー(CRP)の上昇の有無、胆肝系や腎臓の数値の異常の有無を確認します。

4.全身麻酔下での検査
 CTスキャンによるによる歯根、歯槽骨の評価(武蔵国どうぶつ医療センターにて)をします。プロ―ピングによるPPD(Probing Pocket Depth)、アタッチメントレベル、出血の有無の評価をします。歯科用レントゲン照射器による歯根や歯槽骨の評価。

【治療の選択肢】
1.スケーリング(歯石除去)
 全身麻酔下で超音波機器を使用して歯面上の歯垢、歯石等を除去します。
 歯肉縁下の歯垢や歯石を取り、細菌増殖を抑える環境にします。
 細菌数を減らすことにより、過剰な免疫応答を下げます。
 歯肉の歯面への再付着を促します(上皮性付着、結合組織性付着)。
 

歯石除去前

歯石除去後

歯石除去前

歯石除去後

2.ルートプレーニング
スケーリング後にキュレットを用いて歯肉縁下の汚染物を除去します。
歯周ポケット内の炎症性組織を除去し、歯肉の歯面への上皮性付着を促進します。
 
3.抗生物質、消炎鎮痛薬
 特に猫は痛み止めや消炎剤を抗生物質と併用することもあります。月1回の猫用抗モノクローナル抗体製剤を、猫の歯科疾患の鎮痛のために使っています。

4.抜歯
 重度の歯周炎で考慮します。猫の場合、歯肉口内炎や破骨性吸収病巣(アンキローシス)などで多数の抜歯も検討します。
 
【予防法】
1.歯みがき(最重要)
 週3回以上。犬猫専用の歯ブラシや酵素入りの歯みがきペーストを使用します。特に歯垢、歯石の付きやすい犬歯、後臼歯の頬側を中心に行います。

2.デンタルケア製品
 デンタルガム、デンタルおやつ、デンタルウォーター、サプリメント。

3.食事管理
 ドライフードは歯垢が付きにくいです。
 歯垢をこすり取る機能をもつドライフードは、当院にて取り扱っております。。

4.定期健診
 年1~2回、病院での口腔内チェック。ワクチン接種やフィラリア予防での来院時にご相談を承っております。

【よくある質問FAQ】
Q 歯石は家で取れますか?
A 取れません。動物病院での麻酔下処置が必要です。
歯石は非常に硬く、家庭用のケアでは削れません。ハンドスケーラーを家庭で使う場合、以下のリスクがあるため危険です。
・歯肉を傷つける。
・歯の表面をざらざらにして、逆に歯石が付きやすくなる。
・無麻酔の犬猫では、歯石が喉に入る危険性。
家庭でできるのは歯垢(プラーク)を減らす歯磨きのみです。

Q 歯石除去は無麻酔でできますか?
A 非本的に推奨されません。
・犬猫が動くため危険。
・歯の表面しか取れず、歯肉縁下(歯肉ポケット内)の歯石は必ず残る。
・残った歯石が細菌の温床となり、短期間で悪化。
・痛みや恐怖を与えることもある。
・想定外の出血をした場合、止血が困難。
正確安全な歯科処置は、全身麻酔下で行う歯石除去が標準です。

Q 歯周病は治りますか?
A 初期症状(歯肉炎)の場合は治ります。進行した歯周炎は元には戻りません。
・歯肉炎は歯磨きや歯石除去で改善可能。
・歯周炎(歯槽骨や歯根が溶けている状態)は進行を止めたり痛みを緩和することはできるが、失った骨は元には戻らない。
・温存が難しい歯は抜歯が必要。

Q 歯石はどのくらいの期間でつきますか?
A 歯垢は2~3日で歯石になります。だからこそ毎日の歯磨きが最も効果的です。

Q 歯石除去はどれくらいの頻度で必要?
A 年1回が目安です。
・小型犬 年1回
・大型犬 2~3年に1回
・猫 口腔疾患の状況によりますが、1年に1回の検診がお勧めです。

Q 動物が嫌がって歯磨きができない場合はどうすればいいですか?
A 上記【予防法】2のデンタルケアを組み合わせて使用します。ただしこれらは歯磨きの代わりにはなりません。

Q 歯周病を放置するとどうなりますか?
A 以下の重大なリスクがあります。
・痛みで食事ができなくなる。
・歯が自然に抜ける。
・頬や顎に膿が溜まる。
・鼻に抜けて鼻血が出る(口腔鼻腔瘻)
・口腔内の細菌が血流に入り、心臓・腎臓に影響を及ぼす。
特に高齢の犬猫では、歯周病は全身の病気を悪化させる要因になります。

ワンちゃんとネコちゃんのオシッコのトラブル ―尿路結⽯―

【こんなことはありませんか?】
• ⾎尿、濁った尿、排尿時の痛み、⻑い時間トイレにいる、少量ずつしか出ない
• 陰部をしきりになめる、トイレ以外で排尿
尿が出ない、嘔吐、元気がない → すぐに受診してください。

【この記事のトピック】
• 結⽯は主にストルバイト、シュウ酸カルシウム、尿酸塩、シスチンなどあり、種類によって“溶ける⽯”や“溶け
ない⽯”があり、治療法が変わります。
• オス猫の尿道閉塞は救急疾患です。頻回尿・尿が出ない・嘔吐・元気がないなどの症状は緊急のサインです。

【尿路結⽯とは?】
尿中のミネラルが結晶から砂状を経て⽯となり、膀胱や尿道(腎臓や尿管の場合も)を刺激・閉塞する病気です。
【主な結⽯のタイプと特徴と治療⽅針】
n ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
⽝:細菌感染を伴う膀胱炎(細菌性膀胱炎)を伴うことが多く、療法⾷と適切な抗菌薬によって内科的に治療し
ますが、溶けにくい場合もしばしば認められ、外科的介⼊が必要となることもあります。
猫:ほとんどは感染を伴わないもので、療法⾷のみで内科的に管理しますが、⽝と同様に外科的介⼊が必要とな
ることもあります。
n シュウ酸カルシウム(CaOx)
ストルバイトと異なり溶解ができません。結⽯のサイズや数、部位に応じて、⽣活改善(飲⽔量の確保や療法⾷
の使⽤など)や外科的介⼊を⾏います。外科的介⼊後は、再発予防に重点を置きます。
n 尿酸塩
⼀部で溶解が可能な場合もあり、肝臓の病気の有無なども評価します。
n シスチン
多くは遺伝的な体質によるもので、⽣活改善や内服薬により管理する場合もあります。去勢⼿術が再発予防に有
効な場合もあります。

【診断の進め⽅(当院の場合)】
1. 問診・⾝体検査(発症時期や飲⽔・排尿状況、⾷事、既往歴、内服薬などについてお伺いします。)
2. 尿検査(⽐重・pH・潜⾎・沈渣・細菌など)±尿培養(適切な抗菌剤の選択のため)
3. ⾎液検査
4. 画像検査:レントゲン検査 超⾳波検査
5. 結⽯の種類の推定
6. 治療法の選択

【治療の選択肢】
• 溶解療法(主にストルバイトと⼀部の尿酸塩)
動物病院で処⽅される専⽤の療法⾷によって⾏います。
※多くのメーカー様からたくさんの種類の療法⾷が出ておりますので、お気軽にご相談ください。
• 外科摘出(膀胱切開など)
結⽯が⼤きい・多数・再発性などのケースで検討します。
• 緊急対応
尿道閉塞(特にオス猫):カテーテルでの解除や外科的介⼊が必要になる場合があります。
※多くの場合、安全性の観点から鎮静処置を実施させていただきます。
【ご⾃宅でできること、再発予防の基本】
・尿を薄く保つ=⽔分摂取を増やす(ウェット⾷、⽔飲み場を複数設置する、散歩後の給⽔習慣など)
・療法⾷による⾷事療法
・排尿状況の確認と定期的なチェック(尿検査や画像検査:間隔などは診察時にご相談させていただきます。)

【よくある質問(FAQ)】
Q:うちの⼦の⽯は溶けますか?
A:溶解可能な結⽯もありますので、ご来院いただき、適切な治療法を選択することで可能な場合もあります。
Q:市販の尿結⽯に配慮したご飯でも⼤丈夫ですか?
A:多くのものが流通し、⼀概にはお答えできませんが、結⽯の管理には不⼗分なものも多く存在します。⼀度
ご来院いただき、今⾷べているご飯などを教えていただければと思います。
Q:結⽯が消えても、再発することはありますか?
A:はい 環境や体質によって再発することが多く、⽣涯の管理となる場合が多いです。
Q:療法⾷を⾷べていれば、おやつをあげてもいいですか?
A:おやつに関しても、同様に結⽯に配慮する必要があります。療法⾷を⾷べていても結⽯ができてしまう恐れ
がありますので、おやつに関してもぜひご相談ください。

ワンちゃんの心臓のトラブル 僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

【こんなことはありませんか?】
・運動後、疲れやすい。前よりも歩きたがらなくなった。昇り降りを嫌がるようになった。
・呼吸が速くなった。咳をする(特に夜から明け方)。咳が増えた。

※失神をする。咳が止まらない。呼吸が苦しそう。歯茎や舌の色が紫色。
→すぐに受診してください!

【この記事のトピック】
・僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)は、血液の流れを保つための心臓内の弁に病的な変化が起きたことにより、血液の逆流が生じて徐々に循環血液量が低下し、心臓が拡大する疾患です。
・進行すると運動不耐性、咳の増加、呼吸困難を呈し、肺水腫などの緊急性の高い症状を引き起こすリスクが高まります。
・重症度に適した内科治療によって症状を軽減し、進行を遅らせます。

【僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)とは?】
心臓から肺以外の臓器や組織に血液を送る循環を、体循環といいます。体循環を担うのは、左右に分かれている心臓のうち左側の左心房左心室です。この二つの部屋の間にあるのが、房室弁という血液を通す管であり、血液の逆流を防ぐための弁でもあります。左心側の房室弁には、僧帽弁という名称が付いています。
僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)とは、僧帽弁が正常に閉じないため血液の一部が左心房に逆流してしまう疾患です。
本来心臓から送り出される血液の量が減り、逆流という形で心臓内に残るため、左心房が徐々に拡大します。すると弁の隙間も広がり、逆流量は徐々に増えていき、遂には左心室も拡大します。それに伴って循環血液量は減り続け、全身に届ける酸素の量も減って疲れやすくなります(運動不耐性)。そして左心系に滞った血液は、その手前にある肺に負担をかけて肺水腫を引き起こします(肺うっ血)。場合によっては、薄い膜状の筋肉でできている左心房が伸びきり、薄くなって破ける事もあります(左心房破裂)。

【診断の進め方(当院の場合)】
1.問診:元気や食欲、排泄の様子など、生活の様子とともに、運動不耐性、呼吸促拍、咳などの有無についてお聞きします。これらの症状がある場合は、いつ頃からみられるようになったかも伺います。

2.身体検査
①聴診:心雑音の有無を確かめ、重症度に合わせて6段階評価をします。心拍数を測定します。また、肺呼吸音に異常がないかも確かめます。
②視診:歯茎などの可視粘膜の色合い、呼吸の仕方をみます。
③触診:四肢がむくんでいないか、お腹に水が溜まっている感触がないか、首の静脈が太くなっていないかを確かめます。

3.血液検査。
一般血液検査(主に腎機能)と、心臓バイオマーカーの測定を行います。

4.レントゲン検査
心臓の大きさ、肺水腫の有無、腹水の有無などを確認します。

5,心エコー図検査
心臓の形、大きさ、動き、血液の流れなどを細かく確認します。

6。心電図検査(必要に応じて)
不整脈の有無を確認します。

【治療の選択肢】
1.内科療法:重症度に合わせ、内服薬を毎日投薬します。投薬により症状を緩和し、元気や食欲を改善します。また、病気の進行を遅らせることができます。

2。外科療法:弁形成術が、国内の限られた専門病院や大学病院で行われています。全身麻酔、人工心肺下で行います。施設や重症度によって異なりますが、高額な費用が必要となります。術後の死亡リスクも高めですが、手術が成功すると内服の投与量が減ったり、不要になったりする症例もいます。

【内科療法の治療方針】
■ 血管拡張薬:ACE阻害薬(アラセプリル、ベナゼプリルなど)
全身の血管を広げ、血圧を少し下げて弁逆流を減らしたり、心臓や血管といった循環器の組織を保護したりする効果があります。

■強心薬(ピモベンダン)
心臓拡大によって、収縮力が低下している心臓の筋肉の動きをサポートしてくれます(強心作用)。血管拡張作用や利尿作用による心臓の負担軽減作用もあるため、近年ではACVIMステージB2以降のMMVD第一選択薬として処方されることが増えています。

■利尿薬(フロセミド、トラセミド、スピロノラクトン)
僧帽弁の逆流が増えると徐々に心臓が拡大し、心臓の動きにも影響が出ます。循環血液量を減らすことで、心臓の拡大や血圧の上昇を抑え、心臓が動きやすくなるようにします。肺のうっ血も軽減します。腎臓の機能に影響を及ぼすことがあるため、定期的な血液検査によるモニターの必要があります。

■冠動脈拡張薬(硝酸イソソルビドなど)
心拡大が進むと、心臓自身に血液を供給する冠動脈の血流量が低下します。そのため心筋の動きが低下したり、不整脈を生じたりする原因になることがあります。冠動脈を拡張させることで血液の流れを保ち、心機能の低下を防ぎます。

【ご自宅でできること】
1.夜就寝中の呼吸数測定:呼吸数は、MMVDが進行するほど多くなります。夜は体をリラックスさせる副交感神経が強くはたらき、安定的に評価しやすくなるため夜に測定します。①30回以下/分…安心です。②30~40回/分…要注意。③40回以上/分…呼吸促拍、呼吸困難の可能性を疑います。早めに当院獣医師へご相談ください。

2.なるべく興奮させない。:急な興奮は心拍数や血圧の変化が大きいため、時に弁や弁を支える腱(腱索)を損傷するため、急変のリスクを伴います。緊張や興奮が持続するするイベントは手短にするか、頻度を少なめにしましょう(盆や正月の親戚の集まり、トリミングなど)。

3.塩分を控えた食生活:塩分を取りすぎると循環血液量の増加や,血管収縮システムを刺激して心臓への負担が悪化します。心臓用の療法食や、シニアフードなど、低Naに配慮した食生活を心掛けましょう。

4.適度な運動:軽めの散歩程度の運動は、心肺機能や全身の筋肉量の維持に有効です。

5.寒暖差:特に冬は体温を保つために体の末端の血管(末梢血管)が収縮するため心臓に負担がかかりやすくなります。常に快適に過ごせるようにエアコン等を有効に使いましょう。

【よくある質問FAQ】
Q なぜ僧帽弁閉鎖不全症を発症したのですか?
A 加齢による弁の変性や、それを生じやすい遺伝的背景(チワワ、マルチーズ、キャバリアなど好発犬種あり)が挙げられます。

Q あとどのくらい生きられますか?
A 治療開始時期や、その時の重症度にもよるので一概には言えません。早期発見で早い時期から治療介入をすることで重症化までの期間を延ばすことは可能です。肺水腫を経験するくらいに進行すると残りの予後は約1~1.5年ほどとなります。当院で治療開始から亡くなるまでの平均予後は約5~6年です。短期で重症化して2年で亡くなったケースもあれば長期の治療に耐えて平均的な犬の寿命を全うしたケースも数多くあります。

Q 進行を止めることはできますか?
A 内科治療では進行を遅らせることはできても止めることはできません。外科治療ならばリスクは高いですが成功すれば止めることが可能です。

Q ピモベンダンの錠剤の内服が苦手です。
A 当院での経験ですが、ピモベンダン錠を犬が嫌がって投薬に苦慮していると時々伺います。当院では近年上市された液体タイプのピモベンダン製剤も用意しています。価格は錠剤より少し割高ですが投与する飼い主様と犬双方の投薬ストレスを減らせるかもしれません。

Q 投薬は一生続くのですか?
A 内科治療では生涯にわたる投薬が必要です。進行した症例で投薬を止めると、症状が悪化して肺水腫や左心房破裂による突然死のリスクがあります。外科治療が成功した場合は内服を減らしたり、投薬そのものがなくなったりすることがあります。

Q 投薬の副作用はありますか?
A 一番の問題は利尿剤の使用による腎機能の低下です。定期的に腎機能を血液検査にてモニターしながら処方の妥当性を判断して継続します。腎臓のための点滴治療は、肺水腫リスクがあり十分にはできないため、利尿剤はなるべく必要最低限にします。

Q 最後はどのようになりますか?
A 肺水腫による呼吸困難・呼吸不全で亡くなったり、重度の心不全により尿毒症、不整脈による失神、悪液質など複数の要因によって衰弱して亡くなったりします。最後は少し苦しそうな時間帯があるかもしれません。